
はじめに
ハムレットの第3幕で語られる台詞、“For some must watch while some must sleep.”は麻酔科医の医療を端的に示しています。安全を守る医療は地味ですが、重要です。ところが今、麻酔科医の不足が日本の医療の安全を脅かそうとしています。だから、私達は諸君を歓迎します。
麻酔科レジデントの修練期間と修練施設
- 修練期間:日本麻酔科学会の麻酔科専門医認定審査の申請に必要な5年間が、県立病院群麻酔科レジデント制度が設ける修練期間です。
- 修練施設:麻酔科指導医または麻酔科専門医が在籍する県立病院又は国立病院の麻酔科で、必修の修練施設(4施設)のほか、選択の修練施設も用意してあります。
《必須修練施設》
千葉県がんセンター、千葉県こども病院、千葉県循環器病センター、千葉県救急医療センター
※必須修練施設ではそれぞれ1年間の修練をおこないます。このように、高度専門的医療施設をローテーションすることで、専門分野に習熟した指導医から集中的に専門教育がうけられること、修練環境が定期的に変化することなど、1施設の研修では得られない利点があります。
《選択必修修練施設》
千葉県立佐原病院麻酔科、千葉県千葉リハビリテーションセンター麻酔科、千葉県がんセンター緩和医療科、独立行政法人国立病院機構千葉東病院麻酔科(臓器移植手術の麻酔)
◇必須修練施設のローテーション順序と選択修練施設の決定は麻酔科カリキュラム責任者、修練施設指導医および麻酔科レジデントとの間の協議によります。
修練施設 |
1年目 |
2年目 |
3年目 |
4年目 |
5年目 |
6年目 |
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↓麻酔科認定医申請 |
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↓麻酔科専門医申請 |
がん
(麻酔科) |
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こども
(麻酔科) |
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循環
(麻酔科) |
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救急
(麻酔科) |
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自由選択※
(麻酔科) |
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緩和
医療 |
佐原
(麻酔科) |
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※ 5年目の自由選択とはレジデントの希望を優先する研修で、県立病院にこだわることなく、麻酔科以外の診療科を含めて、修練期間を自由に設定する。
(註) このモデルでは6年目に千葉県こども病院麻酔科にスタッフとして勤務している。
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麻酔科レジデントの修練カリキュラム
県立病院群麻酔科レジデントの修練カリキュラムは、日本麻酔科学会教育委員会が麻酔科専門医をめざす研修医とその教育担当者むけに作成した「
麻酔科医のための教育ガイドライン(PDF/約80KB)」に従います。
麻酔科医のための教育ガイドラインでは教育項目が大項目、中項目、小項目、行動目標の4つに分けられているので、研修医、専門医、指導医、並びに麻酔科責任者として習得するべき目標を各段階で示し、専門医認定制機構が求める教育の基準を十分に満たす内容になっています。
麻酔科レジデントに求められる臨床経験
麻酔科レジデントには麻酔だけでなく、ペインクリニック、集中治療、救急医療、緩和医療など、多岐にわたる臨床経験の習得が望まれています。修練病院における臨床経験を年度ごとに集計して臨床実績報告書を作成し、麻酔科専門医認定申請の手続き時には5年分の臨床実習報告書を提出します。
日本麻酔科学会の専門医制度
日本麻酔科学会は他学会に先駆けて日本で最初の専門医制度を誕生させ、その制度は2004 年より麻酔科認定医、麻酔科専門医、麻酔科指導医という新しい3段階の仕組みに移行しました。
*麻酔科認定医
厚生労働大臣が許可する麻酔科標榜医に該当し、麻酔指導病院で麻酔科関連業務に2年以上専従することで申請資格を得ます。審査は書類審査です。
*麻酔科専門医
麻酔科認定医として2 年以上の麻酔科関連業務専従期間および5 年間における規定以上の研究実績により麻酔科専門医認定申請の資格を得ます。審査は筆記試験、口頭試験、実技試験の3 科目でおこなわれます。
*麻酔科指導医
麻酔科専門医として5 年以上の麻酔科関連業務専従期間および5 年間における診療実績、規定以上の学術集会への参加実績、規定以上の指導実績により麻酔科指導医認定申請の資格を得ます。審査は書類審査です。
これらの詳細については日本麻酔科学会のホームページをご覧下さい。 (http://www.anesth.or.jp)
カリキュラム責任者と修練施設の指導医(2007年11月末現在)
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《カリキュラム責任者》 |
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千葉県がんセンター |
手術管理部長 |
阿部 伊知郎(麻酔科指導医) |
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《修練施設指導医》 |
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千葉県救急医療センター |
麻酔科部長 |
荒木 雅彦(麻酔科指導医) |
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千葉県こども病院 |
麻酔科部長 |
原 真理子(麻酔科指導医) |
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千葉県循環器病センター |
麻酔科部長 |
杉森 邦夫(麻酔科指導医) |
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千葉県立佐原病院 |
診療部長 |
五反田 純(麻酔科指導医) |
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千葉リハビリテーションセンター |
医療局長 |
高地 光世(麻酔科専門医) |
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国立病院機構千葉東病院 |
麻酔科部長 |
今井 美絵(麻酔科指導医) |
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千葉県がんセンター |
緩和医療科部長 |
渡辺 敏(緩和医療学会評議員) |
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麻酔科レジデント1年目の “Nさん”の修練実績(2007年11月末現在)
修練の場:千葉県がんセンター麻酔科/集計期間:2007年4月〜2007年11月の8ヶ月間※
※集計期間が8ヶ月間であったことから、1年間の推定実績値は下表の1.5倍が見込まれます
大項目 |
中項目 |
小項目 |
症例数 |
麻酔 |
分類 |
全身麻酔(吸入) |
43 |
| 全身麻酔(TIVA) |
34 |
| 全身麻酔(吸入)+硬・脊・伝麻 |
13 |
| 全身麻酔(TIVA)+硬・脊・伝麻 |
117 |
| 脊麻+硬膜外麻酔(CSEA) |
0 |
| 硬膜外麻酔 |
0 |
| 脊髄くも膜下麻酔 |
0 |
| 伝達麻酔 |
0 |
| その他 |
0 |
| 手術部位 |
開頭 |
2 |
| 開胸 |
31 |
| 心臓・大血管 |
0 |
| 開胸+開腹 |
14 |
| 開腹 |
98 |
| 帝王切開 |
0 |
| 頭頚部・咽喉頭 |
4 |
| 胸壁・腹壁・会陰 |
55 |
| 脊椎 |
0 |
| 四肢(含:未梢血管) |
3 |
| その他 |
0 |
ペインクリニック |
分類 |
神経因性
疼痛例 |
0 |
| 帯状疱疹ならびに帯状疱疹後神経痛 |
0 |
| 複合性局所疼痛症候群(CRPS) |
0 |
| 求心路遮断性疼痛 |
0 |
| 三叉神経痛 |
0 |
| 頭痛・顔面痛(神経因性疼痛を覗く) |
0 |
| 耳鼻科・眼科疾患(顔面神経麻痺など) |
0 |
| 筋骨格系疼痛(頚肩上肢痛・腰下肢痛) |
0 |
| 未梢血行障害・多汗症 |
0 |
| 癌性疼痛 |
0 |
| その他 |
0 |
| 治療法 |
星状神経節ブロック |
0 |
| 三叉神経ブロック |
0 |
| 硬膜外ブロック |
0 |
| くも膜下ブロック |
0 |
| 胸・腰部交感神経節ブロック |
0 |
| 胸腔鏡下胸部交感神経遮断術 |
0 |
| 内臓神経ブロック(腹腔神経叢、上下腹神経叢) |
0 |
| 神経根・未梢神経ブロック |
0 |
| その他のブロック |
0 |
| 脊髄硬膜外通電法 |
0 |
| 薬物治療 |
0 |
集中治療 |
術後 |
心臓外科 |
0 |
| 大血管外科 |
0 |
| 消火器外科 |
4 |
| 脳神経外科 |
2 |
| 外傷 |
0 |
| その他 |
0 |
| 内科的管理 |
心不全 |
0 |
| 呼吸不全 |
4 |
| 敗血症 |
2 |
| その他 |
1 |
| 特殊な治療法 |
人工呼吸 |
5 |
| 血液浄化療法 |
0 |
| 補助循環 |
0 |
| その他 |
0 |
救急 |
分類 |
心停止 |
0 |
| ショック |
0 |
| 心筋梗塞 |
0 |
| 呼吸不全 |
1 |
| 脳外傷 |
0 |
| 多発骨折 |
0 |
| その他 |
2 |
| 治療法 |
心肺蘇生(ACLS) |
0 |
| 補助循環 |
0 |
| 気管挿管・人工呼吸 |
1 |
| 開胸 |
0 |
| その他 |
0 |
研究実績

学会発表
日本臨床麻酔学会第27回大会一般演題ポスター発表(2007.10.26/東京)
演題:乳腺外科手術麻酔におけるフェンタニル、レミフェンタニルの比較検討
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